こんにちは、ひろです。
今日は4時間くらい勉強をして、超久々に映画を観ました。
LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)、めちゃくちゃ有名な作品ですね。
過去4回くらい観て毎度号泣してるんですが、5年ぶりに観てまた号泣しました。
夢追い人の人生を厳しくも華やかにデフォルメして映し出し、夢を追う人、かつて追っていた人に多くのことを感じさせてくれる映画で、いろいろなシーンが心にぶっ刺さります。
本当に語り尽くせないくらいに大好きな作品でした。
そんな本作を私は20代だった2017年に初めて観たわけですが2023年現在、30代になってから観ると感想が結構変化したので紹介します。
目次
結論
結論から言うと、
いつ観ても最高の映画です。
結局最高でした。音楽も歌も映像も物語も主役の2人も大好きです。
そのうえで、変化した感想もあります。
20代当時「悲しい恋の物語だ。夢を追うって、尊いけど厳しい世界だよな。」
30代現在「夢ってやつは狂気の沙汰ほど努力せんと成就しないのだ。俺も負けへんで。」
こんな具合です。
20代の自分にとっては恋に破れて男泣きする映画
さて、まずは2017年の感想からです。
1人で映画館へ足を運び、最後のシーンでもうめちゃくちゃ号泣しました。
※ここからネタバレあり。
ラストシーンは切なくも明るく衝撃的に始まって、感情が洪水のように畳み掛けます。
唐突で非現実的な演出だったのもあって、「あ、もしや時間戻った?それとも『あり得たかもしれない世界線』の映像?前者だったらいいな・・・前者であってくれマジで・・・」
とうっすら期待もしたけど、現実が戻ってくると、後者『あり得たかもしれない世界線』の映像だったことがわかる。
当時の私は昔の彼女を引きずっていた関係でセブに感情移入しまくっており、
ずっと愛してるって言ったのに、ミア・・・!!
5年しか経ってないのにもう3歳くらいの子どもいるじゃん!!
そんなスピード感にセブはついていけないよ!!
ああもう2人が復縁することはないと思うと本当につらい・・・
でも一番つらいのはセブだよね・・・
なのにそんな切ない笑顔で見送って、セブ・・・!!!と、
心を強く強く揺さぶられ涙が止まらなかったのでした。
そしてスタッフクレジット。
切ない別れを見せつけられた直後に、憎たらしいほど明るく盛大に響くメインテーマにまたも胸をズンと打たれ、更にボロボロ泣きました。
(スタッフクレジットの曲は映画館の音響で聴けて本当によかったです)
上映が終わってからもしばらく放心状態で席を立てず、頭の中で、
「夢を追うことと恋人を両立させることは難しかったんだな、
過去は取り戻せないってことを突き付けられてしまったな、
恋に破れたことのある男全員と一緒に観て、朝まで語り合いたい・・・」
などとぐるぐる考えていました。
30代の自分には背中を押してくれるハッピーエンドの映画
で、5年ぶりに観た今日。
登場人物に感情移入するよりも、自然と「彼らの人生が幸せかどうか」という視点で鑑賞していました。
まずは、主人公たちがそれぞれに夢を追っている。
成果は出ておらず停滞。それが日常になっている。
ミアとセブが出会う。日常に彩りが生まれる。
恋と夢の相乗効果。戦友のように互いを鼓舞して高め合う。互いが居るから頑張れる。素敵なかわいい2人。
しかし歯車がかみ合わなくなる
夢を実現させるためのエネルギー(志気を高め、自分を成長させ、更に高みへ向かわせるエネルギー)は、「夢の成就に近づく実感」からしか生じないのだと気づかされる。
夢追い人にとって恋の力が必ずしもプラスにならない要因の1つは、頭の中がシンプルじゃなくなること。
考えるべき変数が増えると、意識が分散し、夢への情熱のみに集中できなくなる。
好きな人と一緒に居られる喜びは、「それまでの日常から抜け出せた」「自分、世界で一番幸せかも」というとんでもない幸福感をもたらし、何かを選択するたびに逐一「この幸せを維持するための最善の道は何か」を勘案してしまうようになる。
物事の決断の前に「失う怖さ」が立ちはだかる。
作中、ラブラブな2人がCity of Starsのデュエットで夢と愛を歌う。
最高に美しくて、作中でも屈指のニヤニヤシーン。幸せな恋の時間。
反面、2人を夢追い人として見ると、夢が停滞している時間にも見えてしまった。本当に幸せか?と。
この先の物語を思うと切ない。
ミアとセブは恋の力で停滞の日常から抜け出したけど、恋は心にダメージを蓄積させ、夢は再び停滞しかける。
セブは本意ではないバンド活動で数年を棒に振ろうとし、ミアは一度夢を諦め実家に帰る。
ミアを迎えに来て再起させたのは、恋人としてではなくかつての戦友としてのセブ。
この時点でセブはミアへの想いを乗り越えている。そう見えるだけかもしれないけれど。
突き抜けたセブは超格好いい。泣かせる。
別れてからの2人はそれぞれ、自分の行くべき道に戻る。
2人が別れていなかったら、どちらかの、あるいは両者の夢はきっと叶っていなかった。
特にセブに関してはおそらく5年でお店を持つなんてできなかった。
夢に向かう狂気と、燃えるような恋は両立し難い。
個人的泣き所はミアの歌唱(Audition)。
"A bit of madness is key
To give us new colors to see
Who knows where it will lead us?
And that's why they need us”
「(私たち夢追い人には、)少しの狂気が必要なのよ。
それが新しい世界に連れて行ってくれる。
結果どこにたどり着くかなんて誰にもわからない。
だからこそ彼らには私たちが必要なの。」
この歌は夢追い人への追悼の歌であり、夢追い人が必要なのだと叫んでくれる救いの歌でもある。
ミアとミアのおばの直球のメッセージが胸にぶっ刺さってボロボロ泣いた。
2017年に号泣したラストシーンでは、今日は泣かなかった。
なぜならラストの「ミアとセブが一緒に過ごした場合の人生」は決して理想の人生ではなく、「今別々に歩んでいるこの人生」が2人にとってのハッピーエンドだという確信を持てたから。
そして「もしも映像」の中のヴァンビークでは、セブではない別の誰かがピアノを弾いていたから。
2人の出会いと別れは、互いが夢を勝ち取るまでに越えなければならなかったハードルであり、踏み越えることで飛躍を遂げられる跳躍台だった。
2人が出会えて本当によかった。
余談
余談だが、5年ぶりの鑑賞でも変わらない感想として、ミアとセブが一緒にいる様子がかわいくてたまらんということが挙げられる。
この記事を読んでくれているあなたは気がついただろうか?
「もしも映像」の中でミアとセブがバーに入るときの手のつなぎ方が「恋人つなぎ」であることに!!
リアルな旦那さんとミアはそんなかわいいつなぎ方はしていないのに!!
なんてかわいい2人なんだ!!!結婚しろ!!!と思わずにはいられないが、これはきっと「監督から鑑賞者へのサービス映像」なので、「もしもの方の世界線の2人を見せてくれて本当にありがとうございました!」と、ただただ感謝するばかり。
ミアとセブの恋人つなぎを見逃した方はぜひ映画を見返してみることをおすすめする。
いろいろと書きましたが
30代で観たLA LA LANDの一番の感想は「夢ってやつは狂気の沙汰ほど努力せんと成就しないのだ。俺も負けへんで。」です。
結果が出るまでは、どんなネガティブなイベントもプラスの力に変えて走っていくのが夢を追いかける人生のセオリーですね。
作中では狂気も努力もさほど描かれず、いくつかのイベントと結果だけを見せられるんですけどね。そこはデフォルメですね。
(ちなみに極上の狂気と血のにじむような努力が見たい方は同監督のセッションをご覧ください。狂いっぷりが最高です。)
おわりに
LA LA LANDは、30代から夢を追い始めた男(私)に、「理想を渇望し続けて上を目指し続けることは超大変で難しいんだぞ。でもやるんだろう?人生1回きりだぞ」と厳しくも救いのあるメッセージで喝を入れてくれました。
人生を巻き戻す方法は今のところ世の中に存在しないので、より素敵な人生を生きるためには過ぎたことを振り返っているよりも「今この瞬間からの人生をいかに上向けるか」に全力を注ぐしかないのです。
僕は20代の頃よりも、30代で夢を追いかけている今の方が100倍楽しく生きています。
人生経験や年齢や状況や精神状態によって毎回異なるメッセージを返してくれる映画って最高ですね。
それだけ人生に寄添ってくれる作品、生涯にわたって人生の節目に観たい作品です。
「なんか最近自分変わったかも」という人は昔観た映画を観返してみるの、おすすめです。
※今ならLA LA LANDもセッションもAmazonPrimeVideoで見放題です。
そのうち作品が入れ替わるので、公開停止になる前に観ましょう。